三木山落語ファンの皆さま、お待たせいたしましたっ!6月11日の土曜日、午後1時30分、『薫風寄席』ただいま開演しました。
開場まもなくの1時すぎから、いつものとおりKeikoさんの篠笛によるウェルカム・コンサートでおもてなし。三木山落語に期待外れはありません。
keikoさん

コロナ禍においては満杯となる、112名ものお客様をお迎えしての幕開けは、前回、お正月公演は体調不良でお休みされた櫻川寛太朗師匠の復帰舞台となりました。よっ!お帰りっ!
寛太朗さん

さて、開口一番は八軒家けん市師匠の『地獄八景亡者戯2022』。フルでやったら1時間オーバーとなる大ネタで、奇想天外、波乱万丈の筋・設定のうえに演者によって独自開発のとっときのギャグ、珠玉のくすぐりを入れ放題というお楽しみ満載の、上方落語が誇るお話でございます。
けん市師匠
もちろん、今席のけん市師匠も独自のくすぐりをこれでもかとぶっ込み、会場中を笑い「地獄」に引き込んでくれました。特筆すべきは下座さん「おたふく社中」さんとの息の合った「はめもの」(話に合わせてお囃子、音曲を入れること)。合同稽古なんてそうそうできないコロナ禍にもかかわらず、「玄人はだし」(失礼ながら)の、素晴らしい!ものでした。

豊稔師匠

つづく八軒家豊念師匠は『堪忍袋』。いつの世も、どこにでもあふれかえっている夫婦喧嘩。心の中の怒りを心の叫びを声に出して「堪忍袋」の中に閉じ込めると、あ~ら不思議、胸がスーッとして喧嘩が収まる、こんな便利な袋があったらなぁ。豊念師匠も思わず公私混同、ネタなのか?本心なのか?実は、下座さんを務めてくださっている「おたふく社中」のメンバーには豊念師匠の奥様が・・・聞こえるように言うてんのかも(おぉ怖わっ)。

中トリは天神亭志ん香師匠。落語ではおなじみの「けちん坊の人」のお話『片棒』。なんで?けちん坊がお馴染みかというと、けちん坊の人はお金を払ってまで寄席(笑い)には来えへんから、なんぼでもけなして笑いモンにしてもエエねん、なんですって。納得。
志ん香師匠

それに、もしも、けちん坊が三木山落語に来てたとしても、志ん香師匠のこの笑顔で言われたら、なにを言われても怒れませんよね、きっと。

さて、寄席では大トリの前の出番を「膝がわり」と言いますが、今日の膝がわりは下座さんの「おたふく社中」の皆さん。下座さんと言っても、単なる伴奏者ではないことを見せていただけました。
おたふく社中

今日のいでたちはハワイアンと自らおっしゃってましたが、違和感なく、ビジュアル的にもぴったり。軽妙なおしゃべりと各地の民謡をご披露いただいたうえ、最後は阿波踊りでご陽気に。落語が続いたところで、ホッと一息いれていただいて、さぁ、大トリの天神亭わら司師匠をお迎えしましょう。
わら司師匠

三木山落語にずっと出演いただいている、このメンバー。自ら「天神亭わら司一門」と呼んでおられます。一門を率いるわら司師匠、この師匠は、うまいとか巧みとか以上に、何とも、おかしみというか味わいのある話しっぷり、声、話術、人柄、ひとくちに言うと「魅力」大阪弁でいうところの「人(にん)」をもっておられると思っているのは私だけではないでしょう。今日のお話『竹の水仙』は「左甚五郎ばなし」の一つです。大笑いするようなお話ではありませんが、ほっこりする温かい時間を堪能しました。

勢ぞろい

ありがとうございました。ありがとうございました。どちら様も本日はお越しいただいて、ありがとうございました。次回は、新春1月14日、土曜日で計画したいと思っております。皆さま、どうぞお越しくださいますよう、お待ち申し上げております。また、お会いしましょう。